逆転裁判5
ゲーム概要
クセ強しかいない世界で被告の事を弁護する弁護士として、法廷バトルを繰り広げるADVゲーム。
と、今更説明する必要もないほどの有名シリーズのナンバリング5作目。
逆転裁判シリーズは結構ファンで、プレイ歴は逆転裁判1~4、逆転検事1~2、レイトンVS逆転裁判をプレイ済み。ゴーストトリックも好きなことから、巧舟ファンと言えるかもしれない。
感想
ファンだと言ってる割になぜ2013年に発売した5を今更クリアしたかというと、当時は2007年以来、久々のナンバリングということで喜んで着手したのだが、毒にも薬にもならない今までの逆転裁判をなぞってるかのような内容に面白さを感じず、結局やめてしまったのだ。
改めてやってみた結果、月日が空いた分か当時ほど無為には感じなかったが、やはり凡作という印象は拭えなかった。
スターウォーズで言うとエピソード7といった感じで、久しぶりにやるから今までやったことをなぞっているだけでシリーズファンには物足りないと言わざるを得なかった。
システム
まずシステムだが、これは拡張部分も改善部分も概ね良かった。
感情分析のシステムはかねてより疑問視されることもあった霊媒という法を適用するには不正確な領域からアクションを移すための策だと思われるが、うまくいっていると感じた。
個人的には霊媒(というよりは真宵ちゃん)が好きだったので登場しないことは残念ではあったが、希月 心音の代役はそれなりに成功していると思う。
また改善点でも、より親切に遊べるようになった部分が多く見られた。
一度調べた場所はチェックマークがついたり、ログで会話を遡れたり。
ただ弊害として、ログがあるのにスキップがないことや、スキップ操作をしていると選択肢が誤操作されてしまうといった「なんでここまで出来ないんだ」事案はあり、そもそも最近のADVとしては不便すぎる。
どうせ親切にするなら、もう少し寄り添ってくれても良かった。
シナリオ
逆転裁判の顔である「成歩堂龍一」、逆転裁判4でスタッフの入れ替えとともに新主人公に据えられた「王泥喜法介」、そして今回から新たに加わった「希月心音」。
前作ナンバリングから時間が立っていることからか、この全員の素性説明や人となり説明のようなところから入るため、まとまっているが、シリーズファンからすると非常に薄い内容と言わざるを得ない。
登場人物も印象に残るものは無く、パンチが弱い。
ラストも法廷で大立ち回りをする様子は、アニメ化の影響もあってかちょっと子供臭くて、低年齢層へのアプローチが強いと感じた。
また、個人的になにが楽しめなかったのかを考えた結果、成歩堂の立場の変化が一番大きいところではないかという結論に至った。
今回から希月心音も加わったことで、成歩堂が完全に「大人」として対応している場面が多くて、言ってしまえば面白味もなんにもない、しょうもないことしか言わなくなったのだ。
真宵ちゃんとの掛け合いでは、二人が対等な目線で会話しているからこそ生まれた物が多かったように感じる。
それが大人、上司として嗜めたり、俯瞰してみている様子は成歩堂らしくないとすら言える。
そういった事情でシナリオ自体は及第点ではあるが、従来のインパクトは感じられない。そして最重要であるテキスト自体が面白みを失ってしまったため、関係ないものまで探索パートで調べたいという気力は終盤失せていた。
グラフィック
また、触れておくべきはグラフィックの3D化という大幅な変化だろう。(レイトンVS逆転裁判で既に3D化はしているが)
こちらはとても可愛いため、最高。ハミちゃんとか、めちゃくちゃ可愛い。
2Dドット調も好きだったが3Dになったことで探索パートでのカメラ移動だったり表現の幅も増えたため、良い変化だったと思う。
総評
後々自分で見返したときに分かりやすいように、総評には5点評価で何点だったかを書いていこうと思う。
評価はクリア、もしくは断念した時点でのものになる。
ということで、こちらのゲームの評価は……
3.5点!
理由としては、ストーリー自体にはまとまりがあるし、新キャラ「希月心音」が馴染んでいること。グラフィックも3Dへ移行したが、最高に可愛かったりと、変更点が足を引っ張ることが無かったことだ。(4では賛否巻き起こった事を考えると、すごい)
しかしシステムが親切になったといえど「従来と比較すれば」というだけで依然として不親切な部分も散見されるし、なによりテキスト自体の魅力は輝きを失っていることはマイナス要因として大きい。ADVとしては致命的と言っても良い。
ただ今回は再始動としての説明に費やした感もあるので、次回からは改善されているはずと期待できる。
あとがき
発売当時に買ってから積んでいたゲームをようやく崩した。
当時は逆転裁判を2回目、3回目をやっていたこともあり、面白みを失ったテキストに耐えきれず離脱してしまった。
それから5年以上がたった今、流石に逆転裁判のテキストも忘れつつあったので、比較対象がいなくなった分は楽しく遊べた。(それでもテキストは微妙だけど)
年末を前にして積みゲーが崩せたと喜ぶのも束の間、実は逆転裁判6、大逆転裁判1~2も購入済みで積んでいる。
夏休みの宿題的な計算で行くと、ひとつ1日で終わらせれば三が日で終わるはずだ。