末端ゲーム開発者のゲーム備忘録

末端ゲーム開発者がゲームを分析する目的でレビューを書いているようだ。

Undermine

ゲーム概要

UnderMine Out Now on Steam and Xbox Game Pass - Canadian Game Devs

奴隷と同じ扱いを受ける農民が賢者っぽい出で立ちのやつに顎で使われて鉱山の奥深くからボスを倒して石を取ってくる、トップビューローグライクアクション。

基本的には「潜る→死ぬ→持って帰ってきたお金で強化→潜る」を繰り返すシステムで、一度始めると時間泥棒なゲーム。

今回もXbox GamePassでプレイしたが、問題なく日本語化されていた。

クリア時間15時間程度。

イメージとしては聖剣伝説ローグライクを組み合わせたような感じ。(受け売りだと、The Binding of Isaacが近いらしい)

感想

聖剣伝説のような、というが戦闘システムがというだけで、装備などのカスタマイズ要素や魔法などは存在しない。アクションはシンプルで武器を振る、投げる、ジャンプの3つだけ。

それ故に、ゲーム性を理解してのめり込むのも早いが、飽きるのも早い。

翻訳

日本語化タイトルといっても、翻訳の質はゲームによってマチマチだ。

このゲームに関しては、概ね良好と言える。

ただ悪いところもあって、それはアイテムの効果が文章から全くわからないものが幾つもあるということと、終盤の会話がイマイチ意味がわからない感じになっていることだ。

特にアイテム説明に関してはフレーバーテキストのような文章しか無いのは致命的。

もともとアイテムを選択できるゲームではないから、効果がわからなくても拾うけど、やっぱりローグライクにおいてこれは最悪だ。

バトル

武器を振る、投げる、ジャンプの3つのアクションだけというシンプルな操作性はシンプルで良い。

だがシンプル故に、敵の攻撃を捌く方法が泥臭すぎて飽きの要因にもつながっている。

 

例えば追尾する弾を放つ敵がいると、倒す方法は一つしか無い。

弾から逃げ回って一撃入れては逃げて、を何度も何度も繰り返すだけ。

流石にどうなのという気がするので、攻撃を跳ね返すくらいは欲しかった。(跳ね返す効果のアイテムもあるのだが、なぜか追尾弾など一部の弾は跳ね返せない)

 

同じトップビューアクションのEnter the Gungeonでは同じようなシンプルな操作性で奥深いアクションを実現できていたため、よりライト向けなゲームであると言える。

システム

まず良かった点として、金でのアップグレードがある。

単純だが、確実に強くなって敵を倒すためにかかる攻撃数が少なくなるのは爽快感がある。

 

だが金周りで最悪のシステムもある。このゲームを一気に嫌いにさせてしまうかもしれないほどの最悪なシステム。

それがピルファーと呼ばれるスライムの存在だ。

ピルファーの役割は単純で、地面に落ちた金を盗んでいくというものだ。

これがなぜ最悪かと言うと、このゲームでは金を得る方法は金が含まれてる壁や石を武器で叩いて、金を地面に落として拾うというもの。

このとき、金が地面に落ちた瞬間から小バエのようにワラワラとピルファーが金を盗むために集まってくるのだ。

ユーザーは結局ピルファーと無駄に攻防しながら金を取るか、ピルファーに盗まれるのを見過ごすという無価値な2択を迫られる。

このシステムはユーザーにデメリットしかない最悪のシステムなので、単純に嫌い

(しかもバトル中に金が落ちたときなど、金が次々に盗まれていって萎える)

 

他にもジャンプがやけに高いのに空中制御があまり効かないなど、細かい部分にストレスの貯まる要素が散見されて、ライト向けなシステムと相反して、開発者はドM気質なローグライクにしたいのだろうなという想いが見え隠れする。

シナリオ

シナリオ自体はあってないようなものだが、農民が奴隷と同じように扱われているので、背景には少し物語があるのかもしれない。

ただの翻訳の都合かもしれないけど。

 

グラフィック

ドット絵というのは定義が曖昧で、人によっては16bitまでだろとか、色表現のあったSFCの時代のものまでとか言い出すのでキリがないが、僕は単純にドットが目で分かる程度の粗さで構成されていれば全てドット絵とみなしている。

ということなので、このゲームは美麗なドット絵ゲームだ。

今どきフィルターではないドット絵でこんな綺麗に作るデベロッパーもいるのかと感心する出来。フィルターだったらゴメン。

総評

後々自分で見返したときに分かりやすいように、総評には5点評価で何点だったかを書いていこうと思う。

評価はクリア、もしくは断念した時点でのものになる。

ということで、こちらのゲームの評価は……

 

4点!

 

理由としては単純に面白く、のめり込めたから。

シンプルすぎて終盤には飽きもきたが、そこからダラダラ続かずに15時間程度でクリアできているため許容範囲内。

本来なら周回や縛り付きダンジョン、しばりプレイといったやり込み要素もあるのだが、あまりやり込みに面白みを感じない人間なのでスルーした。(そのせいかソシャゲも全然面白さがわからない)

 

5点にしなかったのは細かい仕様の不親切によるストレスと、何よりピルファーという稀に見るほど劣悪なシステムによるもの。

金を集めるゲーム性で金集めがストレスって、かなりやばい。

 

だが全体を通して良い出来で楽しかった。

 

あとがき

今回もXbox GamePassのお世話になった。

ストアの表記では日本語はなかったのだが、ちゃんとゲーム内設定から日本語を選択することも出来た。

こういった海外のインディーは買ったものの積んでしまったり、やってみたら物凄くとっつきずらかったりして積んでしまうことが多いので、サブスクで日本語化されているものがやれると定額払ってる分もったいなくてやる気が起きるので、性に合っているのかもなと思った。

 

結構好きなゲーム性だったので、次は似ているという評のあったThe Binding of Isaacもプレイしてみようかな。